【集中講座】音楽ホールのモデリング(Rhino+VisualARQ+Lands Design)

このページではRhinoの建築プラグインVisualARQとRhinoランドスケープ用プラグインLands Designを用いた音楽ホールのモデリング概要を紹介しています。
モデルデータはダウンロードページより無償でダウンロードいただけます(プラグインなしのモデルデータもあり)。

1.レベルの作成

図面を元にVisualARQのレベル機能にてフロアレベルを設定する。
これにより、各フロアレベルでの描画やフロアの表示非表示が可能になる。

2.VisualARQオブジェクトの作成

プラグインVisualARQを使用して各種オブジェクトを作成する。

【壁、スラブ、カーテンウォール、フェンス】

下絵を元にラインを作成、そこからVisualARQの壁・スラブ機能を使用して壁やスラブを立ち上げる。作成後にスタイルプロパティにて厚みやレイヤ構造など各種プロパティを編集。一度作成したスタイルは後にいつでもプロパティ>壁>スタイルのプルダウンから適用可能。スタイルは共通でも、壁の高さや高度は個別に設定できる。

スロープなど斜面のスラブも傾斜のある矩形曲線やサーフェスから立ち上げ可能。曲線による加算/減算もできる。

【ドア/開口/窓】

壁に対して位置を指定すれば、ドアや開口を自動的に挿入できる。高さや幅はスタイルプロパティにて指定。

【階段】

ファイルでは別オブジェクトだが、踊り場のある階段なども作成可能(例:直線階段を4回クリックして踊り場部分を作成→オブジェクトプロパティにて中央の踊り場のタイプを“踊り場”に変更→グリップを移動して踊り場の幅を変更できる) 。
幅の異なる階段など特殊な形状はGrasshopperを利用。

3.Grasshopperの利用

ファサード部分は、Grasshopperで作成した厚みのあるパターンを指定したサーフェスに[Surface Morph]コンポーネントを適用後Bakeしている。

4.マテリアルの適用

基本的にVisual ARQオブジェクトのマテリアルはスタイルプロパティで適用する。
これにより、同じスタイルのオブジェクトには全て同じマテリアルが適用され、変更も一括でできる。

マッピング設定をWCS/OCSにすれば、ワールド空間における実際のサイズとなり、テクスチャの継ぎ目もきちんと揃う。
壁などはレイヤ構造になっていれば裏と表に異なるマテリアルも適用可能。

※ファイル内使用した各種マテリアルダウンロード先は、3dmファイルの注記に記載。

5.Lands Designを使用した植栽の追加・環境の適用

8,000種の樹種から高さや種類、花の有無などでフィルタをかけて数種の樹種を選択後、エリアに対して樹木や草花を生成する「森林」「緑化」、曲線に対して樹木を生成する「並木」などを適用。配置されている人物も、Lands Designのライブラリから利用している。また、Rhinoの太陽とスカイライトの設定、OpenEXR画像による背景の適用を行っている。

補足:VisualARQ、Lands Designで作成したファイルを、プラグイン環境のないRhinoで開くには

VisualARQLands Designで作成したファイルは、そのままではプラグイン環境のないRhinoでは開くことができない。
プラグイン環境のない方にデータを渡す場合など、以下の手順を事前に行っておくことで開くことが可能になる。

VisualARQで作成したファイル

事前に[vaSelAll]コマンドでVisualARQオブジェクトを全て選択した後、[Explode]コマンドにて通常のRhinoサーフェスに変換する事が可能だ。
但し、プラグインで設定したプロパティは失われる。

Lands Designで作成したファイル

メニュー>ユーティリティ>汎用形式で保存 を行うと、樹木を通常のブロックインスタンスとして保存できる。
もし樹木によって変換がうまくいかない場合でも、上記同様、[Explode]を行う事でメッシュとして保存も可能だ(※変換により、色味等の見た目が変化する場合がある)。