第7回・第8回では、人口やジニ係数などの属性データを用いた3D表現を扱いました。
今回はその延長として、地形(サーフェス)を扱います。
本記事では、地形データの整理と、Heron を使用して Rhino 上に地形データを取り込む手順を説明します。また次回の第10回では、本記事で取得した地形データをサーフェスとして扱い、コンターや傾斜などのサーフェス解析を行います。

地形データとは
Rhino × GIS で扱う地形データとは、地表の高さ情報を数値として表現したデータを指します。これらのデータは、地形の形状を把握するための基礎データとして扱われます。ただし、「高さ」と一言で言っても、何の高さを表しているかによって意味が異なります。そのため地形データは、用途に応じて主に以下の3種類に分類されます。

DEM・DSM・DTMは、それぞれ表現する対象が異なる地形データです。文脈によっては、DSMやDTMの区別なくDEMと総称される場合があります。本記事では、DEMを地表の高さを表現するデータとして扱います。
Heronを使い地形データを用意する
ここからは、Heron を使用して地形データを取得し、Rhino 上に配置します。Rhinoの単位はメートルに設定します。
①基準点を設定する
Grasshopperを起動し、「Set EarthAnchorPoint」コンポーネントを配置します。ポイントはRhinoの原点(0,0,0)に設定し、緯度・経度にはWGS84に基づく富士山山頂の座標を指定します。※もしくは「ESRI REST Service Geocode」コンポーネントを使い、任意の場所の緯度・経度情報を取得します。

続いて、原点を中心に Rhino の Rectangle コマンドで対象範囲を作成します。この範囲は後の処理で使用されるため、適宜調整します。

②座標系を定義する
次に「Set Spatial Reference System」コンポーネントを使用し、空間参照(座標系) を定義します。本記事では WGS84(EPSG:4326)を指定します。空間参照が未設定、または不一致の場合、取得したデータが意図しない位置に配置される場合があります。

➂地形データを取得する
地形データの取得に「Get REST Topography」と「Import Topo」コンポーネントを使用します。対象範囲を入力した後、「Get REST Topography」で地形データを取得し、「Import Topo」でRhinoに読み込みます。RESTサービスにはGMRT(Global Multi-Resolution Topography)を指定し、解像度および保存フォルダは任意に設定します。


※外部サービスを利用した地形データ取得は、APIの仕様やデータ提供条件の変更に影響を受ける場合があります。例えば、以前は取得できていたデータでも、現在は同じ方法では取得できないケースがあります。そのため、取得方法を一つに固定せず、状況に応じてデータソースを切り替えることを前提とします。

④ベースマップを取得する
次に「Get REST Raster」コンポーネントを使用し、画像データを取得します。対象範囲を指定し、ArcGIS REST Service に接続して ESRI World Imagery を選択します。保存フォルダや解像度は任意に設定します。


⑤ベースマップ画像を地形データに適用する
取得した地形データはBakeしてRhinoにメッシュとして配置します。その後、取得したラスタ画像をテクスチャとして割り当てることで、地形形状と画像情報を同時に確認できます。 ※詳しいテクスチャ割り当て方法については、こちらのページを参照してください。

地形データを取得する方法はHeron以外にもあります。Lands Design(Rhino・Grasshopperプラグイン)にもDEMデータを読み込む機能や、Open Street Mapから任意のエリアの地形データを取得する機能があります。基本的に読み込まれたデータはRhinoの原点に配置されます。そのため、位置情報(座標)に基づく空間参照を必要としない用途では、Lands Designを使用することもできます。

まとめ(中間)
本記事では、地形データの整理と取得方法を扱い、Rhino上に地形データを取り込む手順を説明しました。次回(第10回)では、この地形データを用いてコンターや傾斜などのサーフェス解析を行います。
※本記事で紹介している内容は、AppliCraft Seminar Winter 2025でも紹介しています。
以下の動画の「3. オープンデータでGIS解析」(18:01〜)でも関連内容を紹介しています。
https://www.youtube.com/watch?v=suSSOSZWfoI
また、セミナーで 使用した「Rhino × GIS」に関する発表資料は、以下よりPDF形式でご覧いただけます。
AppliCraft Seminar Winter 2025「Rhino × GIS」発表資料(PDF)![]()
