Rhino8: レンダリングのバンプテクスチャ問題 対応方法2<法線マップの利用>

右はバンプテクスチャを適用した例

Rhino8でバンプテクスチャがレンダリングされない問題については、以前よくある質問の下記ページにて「オプション>高度な設定」の数値を調整する事で対応する方法をご紹介しました。

▶よくある質問「Rhino8: バンプテクスチャがレンダリングされない」
https://www.applicraft.com/qanda/rhinoceros/bump_error/

ただしこの方法では、バンプ量を変えるたびにグローバル設定を調整する必要があり、マテリアル単位での細かな調整が難しい場合があります。

今回、別の対処方法として、バンプマップ画像を法線マップ(Normal Map)に変換し、物理マテリアル上で使用することでバンプ量をコントロールする方法をご紹介します。
※ここでは、上記の“高度な設定”は変更せずデフォルト設定のままで作業します。

現状の問題

通常は疑似的な高低差を表現するためにバンプに白黒の画像を適用します。

現在のRhino8ではビューポートのレンダリング表示ではバンプが反映されますが(上図2点)、レンダリングメニュー>レンダリング、またはレイトレース表示ではバンプ量のコントロールが適切に行えていません(下図2点)。

対応方法:法線マップの適用

そこで、バンプ画像に使用していた「白黒の画像」(左)を「法線マップ(NormalMap)」(右)に変換したものを準備します。

法線マップ(NormalMap)とは?

法線情報を色情報として記録したテクスチャで、モデルが平坦であっても疑似的に凹凸を表現できるマップです。法線マップは各種素材集やWebからダウンロードして入手する他、以下の方法等で元のバンプに使用していた画像を変換できます。変換時に強さやぼかしなどを加えることができるものもあります。

  1. 画像編集ソフト(PhotoshopやGimpなど)で変換
  2. Webサービス(NormalMapOnlineなど)で変換

※ここでは法線マップに変換する手順は割愛します。

法線マップに変換した画像を、「物理ベース」マテリアルの「バンプ/法線とディスプレイスメント」の「バンプ/法線マップ」に、タイプ:ビットマップテクスチャで読み込みます。これにより、バンプ量をコントロールしても適切に反映されます。
※バンプ量のマイナスの値は反映されませんので、正の値を使用してください。

バンプ量を10から100に変更すると結果に正しく反映される

※注意!!

「カスタム」マテリアルでは法線マップを適用しても、バンプ量を適切にコントロールできません。もしカスタムマテリアルを使用している場合は、「物理ベース」マテリアル(PBR)に変換してください。